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医療安全の取り組み

医療安全及びミストラブル防止にむけて

2010年4月、安心安全の医療を提供するために、これまで行ってきたミストラブル対策・ルール作りを抜本的に改革する目標を掲げ、医療安全委員会を立ち上げました。

 

開局後十数年経ち調剤内規は複雑になりすぎてしまいました。ルールが沢山あっても守らなければ意味がありません。しかし多すぎるルールをすべて守りきることは難しく、人はつい面倒だからと言ってルールを破ってしまいます。それではせっかく作ったルールでも意味を成しません。注意喚起や目を引くような表示をしても時間が経つと慣れて認識できなくなってしまいます。人は必ずミスをする。精神論ではミスを減らすことはできませんでした。

 

医療安全委員会ではミストラブル対策を根本から見直し、守ることのできるルール、そして局所的な対策ではなく、ミスの原因となる調剤手順の上流での対策を基本とし検討しました。まず初めに取りかかったのがミストラブル報告書の様式変更でした。薬剤師会のインシデントレポート様式を参考にし、ミスの起こった状況を把握するためにより具体的に報告してもらいました。しかし、些細なミスが原因の同じような事例が毎月出ており、なかなか根絶することができませんでした。委員会立ち上げから1年半後、最終的に到達したのはピッキングサポートシステムの導入でした。

 

導入実績のある薬局へも見学に行き、どのような形ですこやか薬局の調剤方法に組み込むことができるのか様々な議論を行いました。導入当初は反発もありました。これまで調剤技術として養ってきたことが機械に乗っ取られてしまうわけですから。それでも導入後数カ月で軌道に乗り、調剤に関するミストラブル件数も格段に減らすことができました。今では処方箋の読み取りに始まり、錠剤のピッキング、散剤、水剤・外用剤、処方箋受付番号・窓口での患者さん呼出すべてにバーコード・二次元コードを導入するに至りました。

 

昨今PTPシート等にGS1-RSSコードが表示されるようになり、今後ますます医療の分野での安全性向上に期待が持たれています。当薬局でも有益な技術を積極的に取り込み、より一層の安心安全の医療を提供したいと思っています。