トレーシングレポート発行について 現状と課題

トレーシングレポート発行について 現状と課題

2017/07/26

京都民医連第二中央病院へ発行している「トレーシングレポート」(薬剤師が医師に送る報告書)の件数は平成26年度40件、平成27年度69件、平成28年度92件と2年間でほぼ倍の発行件数になっており、すこやか薬局では特に重視している医療連携の取り組みの一つである。トレーシングレポートを内容別に見ると

 

【減薬の提案】発行割合は全体の20%と最も多く、ポリファーマシー問題への取り組みを積極的に行っている事がわかる。

【腎機能による用量調節提案】トレーシングレポートよりも疑義照会で対応している事例が多く、実際には倍以上の件数があると思われる。

【検査値のフォロー】薬局では患者さんの検査値を確認できないことが多くトレーシングレポート発行後の確認が難しい。

【残薬報告】1件と少ないが現在は診療報酬で評価されている(すこやか薬局では算定していないが)ので来年度は件数の増加が望まれる。

 

処方提案後の処方変更の有無に関しては、剤形変更や用法変更などの薬の用量変更が不要な内容は100%通っている。

逆に薬の減量提案などは過料投与例であっても通りにくく、減薬による症状悪化のリスクも踏まえた上で処方提案しなければならない。

インフォメーションを発行した結果処方変更が無かったとしても、医師に情報が伝わる事により薬局の機能を再確認していただく事ができるので、患者さんの医薬品による安全性を守る立場としてこれからも積極的に取り組んでいく必要がある。

すこやか薬局N薬剤師